相保証(あいほしょう)とは?違法性は?正しい用語解説
「相保証」は違法ではありませんが、誤った理解のまま安易に契約すると、数百万円の支払い義務や強制執行などの深刻な事態を招く可能性があります。友人や知人との関係も壊れかねません。
このリスクを回避するためにも、相保証の仕組みや責任、適切な活用方法について正しい知識を身につけることが重要です。この記事では、相保証にまつわる誤解や具体的なトラブル事例を交えながら、わかりやすく解説していきます。
相保証(あいほしょう)とは
相保証とは、お互いが保証人となって助け合う仕組みのことです。例えば、AさんとBさんがアパートを借りる時に、AさんがBさんの保証人になり、BさんがAさんの保証人になるという形です。この方法は、特に単身者や学生など、身寄りが少ない人たちの間でよく見られます。
相保証の仕組みと特徴
相保証の仕組みは、とても単純で分かりやすいものです。まず、2人以上の人たちがグループを作ります。そして、それぞれがお互いの保証人となることを約束します。例えば、家賃の支払いが滞った場合、保証人がその分を立て替えて支払う義務を負います。
相保証の仕組み3つのポイント
- 費用がかからない
- 保証会社を使う場合と違い、保証料金が発生しません
- 手続きが簡単
- 必要な書類が少なく、すぐに始められます
- 信頼関係が重要
- お互いを良く知る関係であることが大切です
相保証がよく利用される場面
相保証が利用される最も多い場面は、賃貸物件を借りる時です。特に、地方から都会に出てきた学生や若い社会人の間でよく見られます。親族に保証人になってもらえない場合や、保証会社の保証料が経済的に負担になる場合に選ばれます。
また、小規模な事業者が事業用の融資を受ける際にも利用されることがあります。例えば、同じ商店街で店を営む事業者同士が、お互いの融資の保証人となるケースです。これにより、個人での融資よりも有利な条件で借り入れができる可能性が高まります。
しかし、近年では賃貸物件の場合、保証会社の利用が一般的になってきているため、相保証の機会は減少傾向にあります。それでも、特に学生寮や社員寮などの特殊な環境では、今でも相保証の仕組みが活用されています。
相保証が借金返済や債務整理に与える影響
相保証は、一見便利な仕組みに見えますが、実は大きなリスクを伴うものです。特に、借金の返済や債務整理が必要になった場合、予期せぬ問題が発生する可能性があります。
相保証が債務者に及ぼすリスク
相保証には、債務者本人にとって深刻なリスクが潜んでいます。最も大きな問題は、自分の返済が滞った場合、保証人となっている相手にも迷惑がかかってしまうことです。例えば、失業や病気で家賃が払えなくなった場合、保証人である友人が代わりに支払いを求められます。
また、保証人との関係が悪化するリスクも考えられます。お金の問題は人間関係を壊してしまう原因になりやすいのです。さらに、保証人が支払いを行った場合、その金額を後で返さなければならない債務が新たに発生します。このように、相保証は単なる保証以上の重い責任を伴うものです。
相保証者としての責任とは
相保証者になるということは、非常に重い責任を負うことを意味します。
- 代位弁済の義務
- 相手が支払えない場合、自分が全額を支払う必要があります
- 期限の利益を失うリスク
- 相手が債務不履行になると、自分の支払いも一括で求められる可能性があります
- 強制執行のリスク
- 支払いができない場合、給与差し押さえなどの法的措置を受ける可能性があります
債務整理における相保証の解消方法
相保証の関係を解消する方法として最も一般的なのは、保証会社に切り替えることです。これには費用がかかりますが、個人間のトラブルを防ぐことができます。
また、債務整理を行う場合は、必ず弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。特に、自己破産や民事再生などの法的手続きを行う場合は、相保証の問題も含めて専門家のアドバイスを受けることが重要です。
解消の具体的な手順としては、まず大家さんや金融機関に相談し、保証人の変更が可能かどうかを確認します。可能な場合は、保証会社との契約に切り替える手続きを進めます。この際、新しい保証人が見つかるまでは、現在の契約を継続する必要があることに注意してください。
すぐに専門家への相談を!
- 相保証人からの支払い請求が来ている
- 保証人である友人から連絡が来るようになった
- 返済が遅れ始めている